『試」 日大選手会見
昨日、日大の選手が記者会見したというニュースをTVでみた。
彼の言葉に偽りはないだろうが、「つぶせ」という指示はまさしく「つぶせ」であって、この選手たちは常々監督と話し合いもしたことのない、雲の上の存在だったというだけで、この大学のアメフト部のありようが知れるではないか。
ところで、試合の『試』はどんな字なのだろうか。
『試』は「言」(ことば)と「式」(仕事のやり方)で、【仕事を言いつけて出来具合を試す意味】
人に仕事を言いつけて、どれくらいできるかを見ることから、「試してみる」という意味を表します。「試」は「用いて試す」ことですが、「験」は「効き目を試してみる」ことです。
『漢字の起源』(加藤常賢)は「試」は、ことばや文章から伺視・察視するだとして、「式」(シ)の音の意味は「伺視」であり、「言」の意味を加えると「相手のことば、あるいは文章からその心を伺視・察視する」であり、延長義は「ことばを察視し、その心を知ってこれを使用すること」だとする。
もう一人、『字通』(白川静)は「試」は、刑罰や兵革を用いるときの呪義だとして、「式」には「呪具の工を用いて清める」意があるといい、「刑罰や兵革(戦争?)を用いるときの呪義であろう」といい、そのような儀礼を「式」と称したという。