2018年度の2学期も終わりになる。日本財団は全国の中学生を対象に調査を行った。(朝日新聞12/24)
年間30日以上欠席した不登校の生徒が約10万人おり、いわゆる保健室登校をしたり、遅刻や早退が多かった「不登校予備軍」が約33万人いたという試算を発表した。文部科学省の調査でも不登校の中学生は昨年に11万人おり、ほぼ同じ。
同財団は調査はインターネットを通して全国6500人を対象に実施し、
①年間欠席が30日以上。
②1週間以上連続して欠席する。
③保健室などに通う。(教室外登校)
④遅刻や早退が多い。(部分登校)
⑤授業中に本を読むなど、他の生徒と違うことをしがち。(仮面登校)
⑥登校
のいずれであるかを聞いた結果、①が、3.1%、②~⑤の不登校傾向にある生徒が10.2%いたという。人口に換算するとそれぞれ約10万人と約33万人という。
この数字を見て愕然とした人は多いだろうと思う。なぜ、こんなにも多くの児童生徒が登校拒否傾向になるのだろうか。また、そんなことがいつまでも続いていて、いいのだろうか。親たちや関係者はどんなにか心配していることだろうが、何とか方策はないものだろうか。冬休みを目前にして父母、教育関係者でなくても頭を抱えてしまう。
ところで、不登校の『登』はどんな字なのだろうか。
『登』は「癶」(両脚の形)と「豆」(踏み台の形)で、【両足を開いて踏み台に昇る様子からできた】
両脚を開いて踏み台に上がることから、「登る・上がる」の意味を表します。
【のぼる】のちがい――
登…だんだんにすすみあがること(登壇)
上…下から上へ真っ直ぐにのぼること(上昇)
昇…日がのぼること(昇天)
『説文解字』(許慎)は「車に上るなり。癶と豆に従い、豆は乗車の形に象る」というが、『漢字の起源』(加藤常憲)はこれに異議をとなえ、「癶(左右の足で踏みつける)に従い豆の声」の形声字だとして、説文の会意説を否定する。そして「トウ」の音の意味は「上升」であり、「両足で踏みつけて升る」意であり、「車に上升するのも、山に上升するのも同意」だという。下村式はこれに同調する。